15年の歩みを経て――SWELロゴを刷新しました(2025.8.24)

ソフト&ウェットマター工学研究室(SWEL)は、2009年に設立されました。研究室の立ち上げから数年のあいだは、どのように情報発信をしていくべきか模索していました。転機となったのは、2011年3月の東日本大震災です。社会全体が揺らぐ中で、「研究室として外へ発信する象徴が必要だ」と強く感じ、同年10月ごろ、初めてのロゴを制作しました。

そのロゴは、ソフトコンタクトレンズが水面に浮かび、赤と緑のレーザー光が差し込むデザインでした。


赤は、私が初めて使った ヘリウムネオンレーザー(632.8 nm)。これでゲルの内部構造を測定したときの感動は忘れられません。
緑は、のちに普及した 半導体グリーンレーザー(532 nm)。山形大学でも盛んに使われ、私自身も多用してきました。
この二つのレーザーを使いこなし、ゲルの内部を解析し、光の性質を制御して新しい応用研究につなげていきたい――そんな思いを込めました。

水面に浮かぶソフトコンタクトレンズは、浮き沈みしながら動的な機能を生み出す未来の医療デバイスを象徴しています。

さらに、親しみやすさを込めて「SWEL」の文字を人の形に組み合わせたキャラクターロゴ “SWELマン” も誕生しました。ちょうどその頃、Facebookを本格的に始め、研究室からの情報発信を積極的に進めていくきっかけとなりました。

それから15年近くが経ち、研究テーマは医療・食品・ソフトロボティクスから宇宙開発まで大きく広がりました。SNSやウェブサイトの役割も変化しましたが、「柔らかい物質で未来に貢献する」という姿勢は変わりません。

今回のロゴ改訂では、長方形の構図から正方形へと形を変え、夜空に浮かぶ星座のような「SWEL」の文字を配しました。そこには、宇宙を含む新たな研究領域への挑戦を重ねています。


一方、キャラクターロゴはより柔らかく人間らしい姿に進化し、“SWELヒューマン” となりました。白黒・円形のデザインは、SNSアイコンや学会資料にも使いやすく、研究室の新しい顔となります。

ロゴは単なるシンボルではなく、研究室の歩みと未来を映す「もう一つの歴史」です。
これからもSWELは、柔らかい物質とその工学的可能性を追究し、人々の生活や社会を支える新しい価値を創造していきます。