博士後期課程に進学して良かったと思うこと
※あくまで個人的な感想です。
1.自分の将来の可能性を広げることができる(自分の市場価値を高めることができる)
一般企業で研究職として働いていますが、博士の学位があるおかげで仕事の幅が広がるのを感じます。企業の研究職には修士卒の人が多い中で、博士の学位には希少価値があり、その価値は年を重ねるほど大きくなっているのを感じます。これまで色々な企業の研究職の方とお会いする機会がありましたが、研究所の所長さんや偉い方々は博士の学位を持っている方が大変多いです。
大学の先生や教授を目指す方にとってはもちろん博士の学位は必須ですが、企業でも博士の学位は大きな価値になります。
2.人生の中で博士課程はとっても素晴らしい経験
社会に出てからの実用的な価値も博士の大きな魅力ですが、やはり博士にはPricelessの価値があると思います。言葉で説明するのは難しいのでぜひ体験してほしいところですが、博士後期課程の3年間の経験は宝物です。
指導教授のおかげで純粋に3年間とても楽しかったです。研究のディスカッションでは、自分では気づけない視点をもらえて学びの楽しさを感じます。研究を形にして論文がアクセプトされると、大変嬉しいです。
3.気付いたらスキルが身についている
博士の学位を取るためには、論文を書かなければいけません。論文を書くためには、実験の組み立て、トライ&エラーの繰り返し、データの処理・解析、論理的な思考、統計学の知識、論文英語など沢山のスキルが必要となります。そのため、論文を書こうとすると、これらのスキルを勉強せざるを得ない状況になります。やっている当時は、これらのスキルを身につけようと思ってやっているわけではなく、必要なことを必要なときに自然に勉強している感じでした。しかし、今考えると、やらざるを得ない状況に追い込まれ、目の前のことに一生懸命取り組んでいると、気付いたときには自然にスキルアップしています。
進学せず独学で一つ一つ勉強して、自分一人でこうしたスキルを全て身につけるのは大変難しいと思います。では、なぜ博士課程に進学するとスキルを身につけることができるのか、それは指導教授が温かく見守りながら大変貴重な指導をしてくれるからです。ここに博士課程の教育を受ける素晴らしさを改めて感じます。
4.最後に
修士のときは、博士課程は才能に恵まれた選ばれし人がいくようなイメージで、憧れはあっても自分とは遠い世界に感じていました。私は残念ながらできが悪い方でしたので、博士課程に進学する前は、研究で結果を出せるのだろうか、論文を書けるのだろうか、学位はほしいけれど自分にやっていけるのだろうかと不安がいっぱいでした。それでも、周りの皆さまのお力添えのおかげで、私でも無事に学位をとることができました。
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※ 堀内真美さんにご執筆いただきました。堀内さんは2022年3月に、SWELで社会人博士で博士課程を修了され、博士(工学)を取得されました。
今後のますますのご活躍に期待です!

